矯正歯科治療の必要性とは

多少歯並びが悪くても、次第に慣れてしまうこともあるかと思います。
どのような歯並びだと矯正歯科治療を受けるべきなのか、そもそも矯正歯科治療を受ける基準は何なのか?また、矯正歯科治療を行うことでどんなメリット・デメリットがあるのかなど、矯正歯科治療の必要性についてご紹介します。

Contents

歯並びが悪いとどうなる?

歯並びが悪い事によって、歯ブラシの毛先が隅々まで届きにくく、磨き残しが発生しやすくなります。よって歯垢や歯石が溜まり、虫歯や歯周病、口臭を引き起こしやすくなるでしょう。噛み合わせが悪いことで、食べものがよく噛めないと、消化器官にも影響を与えます。噛み合わせが悪く咀嚼回数が減ると、唾液の量が減り、消化不良の原因になるだけでなく、口腔内の汚れが溜まりやすくなり、口臭の原因にも繋がります。症状によっては、「さ行」や「た行」の発音がハッキリしないなど、発音に影響を与えたり、噛み合わせが悪いことで、左右どちらかで噛む偏咀嚼のクセがつき、顔が歪んでしまうなどの影響も考えられます。近年、子供や女性に増えている顎関節症(がくかんせつしょう)も、歯並びの悪さが原因で起こる場合もあると言われています。

矯正治療すべき不正咬合の種類

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

出っ歯とも呼ばれ、横から見たときに上の前歯が前に突出している状態です。出っ歯の度合いがひどいと意識をしないと口が自然と半開きになることもあります。

下顎前突(かがくぜんとつ)

噛み合わせた時、下顎の歯列が上顎の歯列より前に突出している状態で、「受け口」や「反対咬合(はんたいこうごう)」とも言われます。下顎の骨は、思春期の時期になると、急激に大きくなる特徴を持っているため、早期の治療が重要になってきます。仮に大人になって矯正治療を受けるとなると、外科的な処置が必要になる可能性が高くなり費用も高くなるでしょう。下顎前突の場合は、子供の頃からの矯正治療が推奨されています。

叢生(そうせい)

叢生は永久歯が顎のスペースに並びきらないことが主な原因で、歯がデコボコに生えたり、生え方が不揃いだったりする状態です。「乱杭歯(らんぐいば)」とも言われ、八重歯もその一種に値します。デコボコに並んだ歯は、ブラッシングがしにくいため、虫歯や歯周病になりやすいと言えるでしょう。

開咬(かいこう)

奥歯は上下の歯で噛んでいるのに、前歯が噛み合わず開いた状態であることを開咬といい、前歯で食べ物を噛み切ることが出来ず、発音が不明瞭になったりします。開咬になる原因は遺伝もありますが、子供の頃、長期に渡って指しゃぶりをしていたり、舌を前に出す「舌癖」も原因であると考えられています。

過蓋咬合(かがいこうごう)

奥歯を噛みしめたとき、上の前歯が下の前歯を過剰に覆っている状態を指します。
食べ物を噛むときに下顎を動かしづらく、顎の関節に負担がかかることで痛みが生じたり、噛むたびに歯茎を刺激し、歯肉炎につながる可能性もあります。

矯正歯科治療はいつ始めるべきか

「矯正歯科治療は子供の頃にするもの」という意識から、矯正治療を諦めている大人の方も案外いるようです。確かに、子供の頃に行う矯正歯科治療は、成長を利用しながら矯正治療を行えるため、抜歯のリスクが減ったり、虫歯や修復歯、欠損歯が少ないので、矯正歯科治療を行う上での選択肢に幅が広がるなどメリットが多くあります。

しかし子供の頃から始める矯正歯科治療は、親御さんの意見が優先されがちで、お子様ご本人が治療に対し消極的な場合、歯磨きなどを含めた矯正治療の協力が得られにくい場合があります。一方で、大人の方であればご自分の意志で矯正治療を開始するので、その後の治療においても協力が得られやすかったり、治療に対しての関心や理解力が高いなどのメリットがあります。しかしながら、大人の方は子供に比べると、やはり虫歯や修復歯、欠損歯が多かったり、歯周病に罹患している場合が多く、抜歯が必要になったり、歯の移動に伴い歯肉退縮や骨の減少が起こるリスクが高くなります。

早期の矯正歯科治療が推奨される下顎前突(受け口)などの症例は放置しておくと、成長に悪影響を与えると判断されるため、子供の頃からの矯正治療が望ましいと言えます。それ以外の矯正治療の開始時期は、骨格や症状などによってさまざまであるため、歯並びや噛み合わせが気になったら早めに歯科医院を受診し、治療開始時期を歯科医に見極めてもらうといいでしょう。

歯並びにコンプレックスを抱えていると、口元を気にしてしまい笑顔を出しにくかったり、人前に出ることに抵抗を覚える方も多いでしょう。また発音が不明瞭な場合は、人前で発言したり、人との会話に抵抗を覚える可能性も高くなります。

矯正歯科治療というのは、ただ単に歯並びをキレイにするものではなく、機能的な面に加え、精神面にもいい影響をもたらすと考えます。歯並びを整えると、よく噛めるようになり、硬いものでも食べやすくなったりするでしょう。また歯磨きもしやすくなり、日々のケアをしっかり行えるようになることで虫歯や歯周病の予防につながり、口臭予防も期待が出来ます。このような機能的な面はもちろん、口元は顔の第一印象に繋がるため、そこのコンプレックスが解消されると自分に自信が持てるようになります。口元を気にせず人との会話や食事を楽しんだり、人前で発言することに抵抗がなくなることも考えられるでしょう。このような精神的なストレスが解消されることで性格も考え方も前向きになる方も多くいらっしゃいます。歯並びを整えて、自信を持ちたいという気持ちや、噛み合わせを良くして、人との食事や会話を楽しみたいと考えている方は、大分県の歯科医院に相談されてみてはいかがでしょうか。

おすすめの記事