インビザラインとは、アメリカのアライン・テクノロジー社が1997年に開発した矯正治療方法で、従来の矯正治療の際に使用される金属製のワイヤーブラケットなどの装置を使わず、口腔内スキャナーiTero elementを用いてコンピューターシュミレーションすることによって、作製された透明のマウスピースを2週間ごとに計画的に交換することにより歯をスムーズに移動させることができます。また、透明で目立ちにくいため、治療していることが他の人に気づかれにくいということも特徴です。さらに、ご自身での取り外しが可能なため、歯を磨くときに外したり、食事をするときに外して食べることができるので、口腔内を清潔に保つことができるので虫歯や歯周病を予防することもできます。また、金属アレルギーのある方もワイヤーやブラケットなどの金属の器具を使用しないため、心配いりません。
そんなインビザラインですが、この他にも軽度の歯並びの改善をするために適したインビザライン・ライトとインビザライン・i7(アイセブン)という治療法があります。気になる歯並びの箇所だけを治したいという場合や、矯正後の後戻りしてしまった箇所だけを治したいという場合においては、インビザラインライトやインビザラインi7が効果的な場合もあります。
インビザライン・ライト
インビザライン・ライトは、前歯の凸凹やすきっ歯や、少しねじれていたり曲がっているなどの部分的な箇所における軽度の歯並びを改善するためのマウスピース矯正治療です。また、矯正治療後の後戻りの治療にも効果的です。
一般的なインビザライン 矯正治療はインビザライン・フルと呼ばれ、製作できるマウスピースの数や治療期間には制限がありません。しかし、インビザライン・ライトは14枚の限られたアライナーでの治療となるため、1ステージが2週間の14ステージ(治療期間約7ヶ月)以内に治療が完了する症例に限定されます。さらに治療計画の変更が出来ないということも、治療に制約がかかってしまうという面ではデメリットになってしまいます。しかし、適用症例は限られますが、短期間で治療を終えることが可能になることや、治療費を安く抑えることができることはメリットです。またインビザライン・ライトは永久歯がすべて生え揃っていない混合歯列期の段階でも治療をおこなうことできます。しかし、ほんのちょっとの前歯の歯並びが悪いだけに見えたとしても、奥歯などの噛み合わせに問題がある場合はインビザライン・ライトでの治療が出来ないこともありますので、インビザライン・ライトの治療が可能かどうかは検査後の医師による診断をおこなっての判断となります。インビザライン・ライトは、透明なマウスピースを使うため目立たないこと、治療中の痛みや違和感を軽減することができることや、ご自身で取り外せるということは、一般的なインビザラインのメリットと同様です。
インビザライン・i7(Invisalign i7)
インビザライン・i7は、インビザライン矯正治療の中でもっとも手軽な治療法です。インビザライン・ライトと同じく、前歯の凸凹やすきっ歯や、少しねじれていたり曲がっているなどの部分的な箇所における軽度の歯並びの改善を目的とした矯正や、矯正治療後の後戻りの改善に効果的なマウスピース矯正です。インビザライン・i7は、インビザライン・ライトよりもさらに軽い症例が対象となるため、7ステージ(治療期間約4ヶ月)以内に治療が完了する症例に限定されます。治療による歯の移動範囲も、前歯と第一小臼歯のみに限定さられますが、短期間で治療が終わることや治療費を安く抑えられることができることが大きなメリットです。インビザライン・i7も、永久歯がすべて生え揃っていない混合歯列期の段階で治療を始めることが可能です。
ワイヤー矯正との併用
インビザライン・ライトやインビザライン・i7は軽度な症状に効果的なマウスピース矯正ですが、一般的なインビザライン・フルに比べると適用症例が限定されるため、歯並びの状態によっては治療が難しくなる場合もあります。ご自身の歯並びがインビザライン・ライトやインビザライン・i7で治療をおこなうことができるかどうかは、クリンチェックという事前のシミュレーションで確認することができるため、医院での検査をお勧めいたします。また、インビザライン・ライトやインビザライン・i7で、満足のいく歯並びが得られない場合は、その他の矯正治療をおこなうことによって改善できる場合があります。さらに、短期間のワイヤーブラケット矯正をおこなった後、インビザラインで仕上げる方法と、その逆の治療工程での矯正による、ワイヤー矯正とインビザラインを併用することで、より効果的に理想の歯並びが得られる場合もあります。