出っ歯の症状と治療

上顎前突とは、上の前歯が下の前歯より大きく飛び出している、いわゆる出っ歯と呼ばれる状態のことをいいます。通常、上の前歯は下の前歯よりも前にあるのですが、上顎前突は上の前歯が下の前歯に当たらないくらい上の前歯が突出してしまいます。そのため上下の前歯の咬み合わせが悪いので食べ物を前歯で噛み切れなかったり、上の顎に下の前歯が当たってしまうなどの不正咬合を起こしてしまうことがあります。また出っ歯をコンプレックスに思っている方も多く、人前に出ることが恥ずかしかったり、歯を出して笑うことができないといった、精神的な悩みを抱えている方も多くいらっしゃいます。しかし、矯正治療によってコンプレックスだった出っ歯を改善することができるため、歯の治療によって自信を取り戻すこともできるのです。

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上顎前突の原因

上顎前突は、一つのことが原因で起きるというよりも、複数の要因が積み重なることによって引き起こすことが多いです。

複数の原因としては、指しゃぶりで上の前歯を押し出す癖があったり、舌を上の前歯と下の前歯の間に押し付けるような舌癖の悪い習慣があったり、頬杖をつくなどの普段の生活習慣が上顎前突を引き起こすと考えられています。そのほかにも、遺伝的に生まれつき骨格に問題があることが原因で引き起こすこともあります。

上顎前突のリスク

上顎前突は、上の前歯が突出している状態にあるため、口が閉じにくく、口が開いたままの状態になりやすくなってしまいます。そのため口の中が乾燥してしまうため、唾液の分泌が少なくなってしまい、唾液の自浄性や免疫力の働きが弱くなるので、口腔内のバランスが崩れてしまうため虫歯や歯周病になりやすくなり、さらに外部から入ってくる細菌やウィルスに対する免疫力も弱くなってしまいます。また、口が閉じにくいことで口呼吸の癖がついてしまいます。そのため、外気に含まれるウイルスや細菌などをそのまま肺に吸い込んでしまい吸収してしまうため、風邪やアレルギーに対しての抵抗力が弱まってしまいます。

インビザラインによる上顎前突の治療

目立ちにくく、取り外しが可能なインビザラインですが、上顎前突の治療もおこなうことが可能です。しかし、全ての症例においてインビザラインでも治療をおこなうことはできません。

治療が出来ない例として、骨格的に顎の位置が前後左右にずれている場合は、マウスピースだけでは顎の骨格自体を改善することはできないため、ワイヤーブラケット矯正治療によって顎の位置を正しい位置に戻す必要があるため、インビザラインによる治療はできません。また、抜歯矯正治療においての歯の移動量が多い場合、マウスピースでの矯正治療はできないことはないのですが、歯の移動にあまりにも時間がかかり過ぎてしまうため、時間と費用の面からもあまりお勧めできません。さらに、マウスピース矯正では、歯を大きく動かしたり、骨格自体を動かすことはできないため、重症の不正咬合の場合は、理想的な歯並びになることは難しいため、インビザラインによる治療はできません。

しかし、インビザラインでの上顎前突の治療法は以下の条件であれば治療をおこなうことが可能です。

歯と歯が強く重なって前歯全体が前に出ている状態

糸切り歯と呼ばれる犬歯のひとつ後ろの歯である小臼歯を抜歯して、歯が強く重なっている部分をインビザライン矯正によって、まっすぐ正しい位置に揃えることにより、出っ歯を改善することが可能です。

顎の骨格自体が、前に飛び出してしまい出っ歯になっている状態

犬歯のひとつ後ろの歯にあたる小臼歯を抜歯して、前歯全体をインビザライン矯正によってきれいに並べます。しかし、歯を並べた後は、ワイヤーブラケット矯正との併用治療が必要となります。ワイヤーブラケット矯正とインビザライン矯正を併用して治療をおこなうことで、ワイヤーブラケットを使用する期間が短くなるのため、併用することはとても有効だといえます。

インビザラインによる上顎前突の治療ができるのはこの二つの条件だけであり、それ以外の症状で、上顎前突の矯正治療をインビザラインでおこなうことは、お勧めいたしません。無理に治療をおこなうと、矯正治療後に満足いく歯並びにならなかったり、矯正治療自体が失敗してしまったりする場合や、治療期間が長くなることなどを考えられると、別の強制治療法を選択することも大切なことだといえます。

上顎前突の治療をお考えの方は、まずは、クリンチェックという事前のシミュレーションでインビザラインによる治療ができるかどうか確認することができるため、インビザラインによる上顎前突の治療が可能かどうかを大分県の医院で検査していただくことをお勧めいたします。また、近年多くの一般の歯科医院がマウスピース矯正やインビザラインの矯正治療をおこなっていますが、その際、矯正治療の経験が豊富な専門医院で治療するようにしましょう。

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