インビザライン矯正と舌側矯正(裏側矯正)の違い

悪い歯並びや、噛み合わせを正しい位置に整える治療法として、歯列矯正治療があり、主にブラケットという装置を歯の表面に装着して、ワイヤーを通して引っ張ることで歯を動かしていく「ブラケット矯正」と、マウスピース型の装置を歯に装着して、定期的に動いた歯に合わせて新しいマウスピースに交換していくことで、歯を移動させる「マウスピース型矯正」があり、歯の表側にブラケットを装着する唇側矯正(表側矯正)が一般的ですが、金属の装置が目立ってしまうため、見た目が気になってしまうという方も多くいらっしゃいます。

その場合、目立ちにくい矯正治療法として、歯の裏側にブラケットを装着する舌側矯正(裏側矯正やリンガル矯正とも呼ばれます)や、「インビザライン」などのマウスピース型矯正があります。インビザラインは、近年普及率の高い治療法として注目されている治療法ですが、舌側矯正とインビザラインはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれを比較しながらご説明いたします。

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インビザライン矯正と舌側矯正の違い

見た目の目立ちにくさ

インビザラインは、透明で薄いマウスピース型の装置が歯にフィットしているため、装置が目立ちにくいのですが、アタッチメントというプラスチックの突起を歯の表面につけることが多く、良く見ればわかってしまいます。そのため、前歯だけでいえば裏側にブラケットを装着する裏側矯正のほうが目立ちにくいです。ただし、インビザラインのアタッチメントを使用しない選択も可能ですし、自由にマウスピースを取り外すこともできるため、インビザラインも裏側矯正も見た目においては大きな差はありません。

治療後の歯並びが確認の有無

インビザラインは、専用の口腔内スキャナー「iTero element」を使用して口腔内のデータを得ることができます。このデータと歯科用CTやX線で撮影した画像データを基にして、「クリンチェック」というシミュレーションソフトを使用することになり、事前にコンピューターシミュレーションによって、歯の動く過程や治療後の歯並びを確認することができます。

しかし、舌側矯正は治療中の歯の動きや治療後の歯並びは、医師の頭の中にあるだけで、目で見える形で説明することができません。そのため、医師のこれまでの経験や実績に基づいて治療計画を立てることになります。治療前に最終的な歯並びを確認できるかできないかということは、大きな違いだといえます。

装置の違和感

インビザラインは装置が歯にフィットしているため、装置の違和感が少ないのですが、舌側矯正は歯の裏側に装置を装着するため、装着後1ヶ月程度は喋りにくさや、舌が歯に当たることで口内炎ができたりすることが多いです。

歯磨きや食事

インビザラインは、装置をご自身で取り外すことができるため、歯磨きや食事の際は装置を外すことで普段通りにおこなうことができます。しかし、舌側矯正は装置を外せないため、慣れるまで歯磨きや食事がおこないにくいこともあります。歯磨きがしづらくなることから、口腔内が不衛生になりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまうことも多いです。

取り外しが自由におこなうことができるインビザラインですが、1日20時間以上の装置が必要となり、装置時間が守れないと歯が計画通りに動かないだけでなく、装置が歯に入らなくなることもあるため注意が必要です。

通院回数

舌側矯正は、歯を正しい位置に動かすために定期的にワイヤーを調整する必要があります。インビザラインも定期的に受診が必要になりますが、装置はご自身で交換することが可能なため、通院頻度は抑えられるので通院回数が少なくて済みます。

治療の痛み

インビザラインは少しずつ力を加えて歯を動かしていくため痛みが少ないのですが、舌側矯正の場合は装置を付けた時や調整をおこなった際に、痛みが出やすいです。

治療費用

インビザラインは、安全で正確な治療をおこなうために高度な設備や機器の導入が必要となるため、多くのコストがかかってしまいます。そのため、他の矯正装置に比べて費用が高くなりやすいです。舌側矯正も高度な技術を要するため、他のブラケット矯正に比べると費用が高くなります。その場合、見えやすい上の歯列は舌側矯正で下顎を唇側矯正にするといった「ハーフリンガル矯正」を選択することもでき、この場合は費用を抑えることが可能です。

金属アレルギー

インビザラインは金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。しかし、

一般的な舌側矯正は、金属の装置を使用するため金属アレルギーを引き起こしてしまう場合があります。その場合、ブラケットを非金属の素材に変えるといった処置が必要になります。

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