正常な噛み合わせと悪い噛み合わせ

噛み合わせについて

噛み合わせ(咬合)とは、その名の通り上の歯と下の歯の接触の仕方を言います。この噛み合わせというのは、非常に重要で食べ物を噛む力だけでなく、歯を支える歯周組織の頭部から首にかけても影響があり、さらに咀嚼(そしゃく)する顎の筋肉などにも幅広く影響があります。

噛み合わせの乱れによって引き起こされる症状は多岐に渡り、頭痛や肩こり、腰痛、ストレスや眩暈、さらには顎関節症までも影響を及ぼします。

正常な噛み合わせというのは、奥歯を噛み合わせて、口の形を「イ」にした状態で、上下の前歯の中心が合っていたら正常な噛み合わせと言えます。さらに言うと、上の前歯は下の前歯より2~3ミリ出ていて、上の前歯が下の前歯を2~3ミリ覆っているのが理想です。上の歯が下の歯に半分以上隠れてしまっていると噛み合わせが深すぎる状態です。

噛み合わせが悪くなってしまう原因は様々で、遺伝的なものであったり、食事の欧米化が進んだことで、柔らかい食べ物を食べる機会が増え、良く噛ままなくなったことや、舌で歯を押し出したり、唇や舌を噛むなどの癖が歯並びを悪くする原因になります。その他にも歯ぎしりや頬杖など、自分では気付きにくいことが原因となっているケースも多いです。

噛み合わせの数や小さなズレが、少しずつ大きくなっていき、大きな悪影響を引き起こします。また、乳歯の虫歯には注意が必要です。乳歯には永久歯が正しく生えるように導くという役目があり、永久歯は生え変わりの時期に乳歯へ刺激を与えます。刺激を与えられることで、乳歯の根っこが溶け、自然に抜けるようになっています。なので、乳歯が虫歯になってしまって神経を取らざるを得ないとなると、永久歯が”これから生えるよ”と合図を送ってもその合図が乳歯に届かないため、うまく生え変わることができなくなってしまいます。

口呼吸も噛み合わせが悪くなってしまう原因の一つです。呼吸時に鼻呼吸ではなく口呼吸になっていると口の内と外の力のバランスが崩れていきます。口周りの筋力が衰えてしまうことで、口の外側の力が弱くなり、舌で歯を押す内側の力の方が強くなってしまい、出っ歯や受け口などの原因となることがあります。

悪い噛み合わせとは

悪い噛み合わせというのは一体どういう状態を指すのか、具体的に紹介していきたいと思います。

一つ目は、歯の大きさと顎の大きさのバランスが悪く、歯並びがデコボコな状態、これを「叢生」(そうせい)と言います。これは歯磨きが上手にできないため、虫歯や歯周病になりやすくなります。さらに食べ物を噛む効率が悪く、見た目に問題があるため、心理的問題を抱える方もいらっしゃいます。

二つ目は、上の前歯が下の前歯に対して、4mm以上前に飛び出ている状態、これを「上顎前突」(じょうがくぜんとつ)いわゆる出っ歯のことを言います。これは、口で呼吸をすることが多いため、歯周病になりやすく、風邪も引きやすくなります。そして、前歯で上手に食べ物を噛むことが出来ず、発音も悪くなります。その他にも前歯をぶつけて、歯が折れるなどの恐れがあり、見た目を気にする方も多いです。

三つ目は、上の前歯よりも下の前歯のほうが前に出ている状態、これを「反対咬合」(はんたいこうごう)といい、いわゆる受け口と言われている状態です。これは、上顎前突のデメリットと似ており、前歯で上手に食べ物を噛むことができなかったり、発音が悪くなります。そして見た目を気にする方がいらっしゃいます。

四つ目は、前歯が上下ともに前に出ている状態、これを「上下顎前突」(じょうげがくぜんとつ)と言います。これは唇を閉じることが難しいケースが多いです。そのため口で呼吸をすることが多く、歯周病になりやすく、風邪も引きやすいです。さらにこの上下顎前突も前歯で上手に食べ物をかむことが出来ず、発音が悪くなります。

五つ目は奥歯が噛み合っても、前歯が噛み合わない状態、これを「開咬」(かいこう)と言います。前歯が噛み合わないため、ものが非常に噛みづらいです。さらに発音もしにくくなります。

六つ目は開咬の反対に、前歯の噛み合わせが深い状態の「過蓋咬合」(かがいこうごう)というものもあります。これは下の前歯がほとんど見えないほどに上の前歯が深く覆っている噛みあわせのことを言います。これは発音が悪くなる他に、顎の関節に影響が出やすいので要注意です。

七つ目は歯と歯の間に隙間がある状態の「空隙歯列」(くうげきしれつ)いわゆるすきっ歯の状態です。空隙歯列は、あごの大きさに比べて、歯が小さかったり、歯の数が少なかったりすることが原因で、全体的に歯と歯の間の隙間が多区なってしまいます。歯の隙間に食べ物が挟まったり、前歯の隙間が目立つことで見た目に悩みをもっている方も多いです。

そして八つ目は、顔の中心と顎の中心がずれている状態の「顔面非対称」というものがあります。実は顔が歪んでいるのではなく、下顎が左右前後に移動したために生じる変化が原因で、顎の関節に影響を及ぼします。さらにお顔が歪んで見えるため、見た目に悩まれる方が多いです。

まとめ

いかがでしたか?歯は一生涯付き合う大事なパートナーです。歯科治療にも様々な分野があります。噛み合わせは審美的影響のほかに、口腔機能に大きく影響を及ぼします。現状の改善も含め、将来のためにも、適切な診査、診断が行える大分県の医師のもとで治療を受けることを強くお勧めします。

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