歯の仕組み

ご自分の歯の仕組みについて考えたことはありますか?乳歯と言われる子供の歯は、全て生えると計20本あります。そして大人の歯は通常28本ですが、親知らずが4本生えた場合だと32本となります。現代では、親知らずは生える人もいれば生えない人もいます。さらに生える本数も人によって異なります。

歯は「切歯」「犬歯」「臼歯」の3種類に分けられ、切歯と犬歯を合わせて「前歯」、犬歯から後ろを「奥歯」と呼んでいます。前歯と奥歯にはそれぞれ役割があり、前歯は食べ物をかみちぎる役割、また奥歯は臼のようにすりつぶす役割があります。

歯の構造って?

1本の歯は7つの層が重なってできており、歯の組織はそれぞれの役割があります。

「エナメル質」と言われている歯の表面は、身体の中でいちばん硬い組織と言われています。例えて言えば、水晶と同じくらいの硬さがあります。厚さは約2~3ミリ程度で、歯の表面に近ければ近いほど硬くなります。

そして「エナメル質」の次にあるのが「象牙質」と言われている層です。歯の中心部には「歯髄」という大切な組織があり、この歯髄には神経繊維のほかに血管やリンパ管などが通っており、象牙質に栄養を補給しています。象牙質とは歯の「歯髄」を取り囲む組織で、硬さはエナメル質よりもやわからかいため、虫歯が象牙質に達してしまった場合、虫歯の侵食するスピードが加速します。

そして次にあるのが「セメント質」と言われている象牙質を覆った層です。顎の骨である「歯槽骨」とくっつくける役割を担っています。

そしてその次にあるのが、「歯髄」です。先ほども述べたように、歯の中心部に流れる神経が通っている部分で、歯髄の中には、血管、リンパ管、神経線維があり、歯髄を通して歯に栄養を送る非常に大切な組織です。

そして「歯槽骨」と言う歯を支えている顎の骨があります。歯茎が炎症を起こして膿がでてくると、歯槽骨が少しずつ溶けてしまいます。このような症状を歯槽膿漏といいます。

歯槽骨の下にある層が「歯根膜」と言う歯槽骨と歯根の間にある薄い膜です。歯根膜は、歯根と骨をつなぐ役割を担っています。

さらにその下にあるのが、「歯茎」です。歯茎は歯槽骨を保護する役割を担っており、目に見える歯茎の部分を「歯冠部」と言い、隠れている部分を「歯根部」といいます。

歯の役割って?

歯は食べ物を噛むだけでなく、人の健康と非常に深く関わっています。歯や歯肉が健康で、ものがよく噛めることで、胃や腸にあまり負担をかけずに、全身に栄養を行き渡らせることができます。

また、会話がスムーズに出来ること、ハッキリと発音することが出来ることも、歯が揃っているおかげです。この他にも、歯ごたえなどを楽しむことが出来、味覚を豊かに保つことが出来たり、美しい表情をつくる口周りの筋肉などにも関係しています。健康的な生活をする上で、実は歯は欠かせないものばかりなのです。ですので、1本でも歯が失われてしまうと、正常な働きが出来ず、様々な弊害が出てきます。

例えば、大臼歯と言われる奥歯が1本失われただけで、ものを噛み砕く能率は約40%も低下すると言われています。これにより、消化器官に負担がかかってしまい、栄養の吸収が悪くなるという悪循環が生まれます。

また、上の前歯が失われれば「サ行」、奥歯が失われれば「ハ行」と「ラ行」が発音しにくくなります。これにより言葉が不明瞭になってしまったり、顔の輪郭が変わり表情が老けて見えたりもします。

歯を失う原因と予防

日常生活ないし健康にとって非常に大切な歯を失ってしまう原因はなんでしょうか?

皆様が一番に思い付き、考えやすい歯を失う原因は「虫歯」ではないでしょうか。虫歯はかつて歯を失う大きな原因でしたが、予防歯科の広まりによって、虫歯の本数はかなり減って来ました。しかし虫歯治療を繰り返すことで歯を失うリスクは比例し、大きくなっていくので、虫歯にならないようにご自分での歯磨きおよびクリニックでのメンテナンス等をしっかりと行うことをお勧めします。また、就寝前の歯磨きは一日の中でも最も重要になります。就寝中は特に唾液の分泌が少なく、お口の中で細菌が繁殖しやすい状態になります。そのため、就寝前は、しっかりと歯を磨くことが大切です。

そして現在、歯を失う原因で一番多いものは「歯周病」です。

虫歯は毎日の歯磨きでかなり予防ができますが、歯周病の主な原因は歯ブラシでは除去しきれない歯垢(プラーク)が原因と言われています。しかし、それだけでなく、ストレスや喫煙、成人病などが原因で体の免疫が弱まることも歯周病を進行させる要因の一つとして考えられています。ご自身の歯で快適且つ健康な食生活を送っていただけるように、早めの歯周病治療と虫歯治療をおすすめいたします。

また歯を失う原因は、内側からではなく、外傷からも考えられます。

ラグビーやアメフト、空手やレスリングなどといった競技では、選手同士の衝突により歯が欠けてしまったり、折れたりすることがあります。また、不慮の事故により歯を失うこともあります。歯が欠けたり、折れてしまった場合には、できるだけ歯を持参し、乾燥させないようにして、なるべく早くクリニックへ行かれてください。

その他に歯を失う原因として多いのが「歯根破折」です。あまり聞かれないと思いますが、この歯根破折が原因で多くの歯が駄目になっています。虫歯で神経まで細菌が入ってしまった歯は、神経の通っている歯に比べると、脆くなってしまっていることが多いです。そのため硬いものを噛んだり、歯ぎしりをしたりと、噛む力が強い人に起こりやすいです。また、稀に神経のある歯でも表面から少しずつ歯が欠けてきてしまい、虫歯のような痛みが出る場合もあります。

一生涯、自分の歯でおいしく食べ物を食べ、健康に過ごすためには、歯を1本でも多く、健康に保つことが必要です。

しかし40歳をすぎると、私たちの歯は、虫歯や歯周病などによって、次第に失われていきます。しかし、年齢とともに歯が抜けるのは仕方のないことではありません。虫歯や歯周病は、老化ではなく、立派な「病気」です。よって毎日の適切なケアで病気を防ぐことができます。本来歯は、身体の中でも丈夫な器官の一つです。ご自身の意識とケア次第で、一生使えるものです。健康な歯は、健康な身体を支え、快適な暮らしをもたらします。

大切な歯を守る正しいケアを、ぜひ今日から始めてみてはいかがでしょうか。

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