頭癌とは

咽頭とは一般的に「のど」と言われている部分で、食べ物や空気の通り道です。

咽頭は上・中・下と3つの部位に分けられ、ガンができる部位によって「上咽頭(じょういんとう)ガン」、「中咽頭(ちゅういんとう)ガン」、「下咽頭(かいんとう)ガン」と分けられます。上咽頭を指す部位は、鼻の突きあたり奥にあり、上方は頭蓋底で、側方には耳管の開口部があります。中咽頭は上咽頭の下にあり、口を開いた時に見える場所を指します。下咽頭は、そのさらに下の方にあり、食道や喉頭の入口付近に位置します。

咽頭ガンの症状

初期の頃には、のどの違和感や軽い痛みを感じる程度で、強い症状がない場合が多いです。ガンが進行し大きくなれば、食べ物が通りにくく感じたり、息苦しさを感じるでしょう。

また頸部リンパ節へ転移し、首のしこりに気付くことで発見される場合もあります。上咽頭ガンの症状には、鼻づまりや鼻出血といった鼻にまつわる症状や、耳管開口部をガンが閉塞することで耳のつまった感じや難聴といった耳症状が現れます。さらにガンが頭蓋内にまで進行すると、物が二重に見えたり、視力障害、疼痛といった脳神経症状が現れるようになります。中咽頭ガンでは、食べ物を飲み込む時にしみたり、違和感を感じるなどの症状があり、やがてのどの痛みや飲み込みにくさ、しゃべりにくさなどが強く現れ、さらに進行すると耐えられないほどの痛みや出血があり、口を開けづらくなたり、嚥下障害、呼吸困難などの症状が出てきます。

下咽頭ガンの初期には症状として食べ物を飲み込む時に違和感を感じるでしょう。その後、ガンが進行すると咽頭痛や耳への放散痛などの症状が現れ、声がれ、血痰、嚥下障害、呼吸困難などが起こるようになります。

咽頭ガンになる原因

咽頭ガンになってしまう原因に、飲酒や喫煙習慣、HPV(ヒト乳頭腫ウィルス)が挙げられ、頭頸部(首より上の部位)領域はお酒やたばこの影響を大きく受けます。

咽頭ガンは、発ガン物質が触れた場所に発生しやすいと言われており、口から胃にかけてガンが多発することを「フィールドキャンサリゼーション」と呼びます。しかし飲酒習慣があるからといって、誰もが咽頭ガンになりやすいという訳ではなく、お酒を飲んだ時の症状によって分かれます。アルコールを摂取すると少量で顔が赤くなる方や、仮に今は赤くならなくてもお酒を飲み始めた20代の頃に赤くなっていた方は日本人の40%と言われており、アルコールの影響を受けやすいと考えられるため、注意した方がいいでしょう。

通常、アルコールの代謝は体内のアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに変わり、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に変えられることで最終的に無毒化されます。しかし、アセトアルデヒド脱水素酵素の力が弱い方は、お酒を飲むと顔が赤くなり、顔が赤くなる人が、仮に毎日日本酒を1合半ぐらいずつ飲み続けると、顔が赤くならない人に比べ下咽頭ガンになるリスクがおよそ10倍にも及ぶと言われています。アセトアルデヒドは「発ガン物質」として認識されており、顔が赤くなる人はアセトアルデヒドが分解されるのが遅いため、体内にアルコールが高濃度で長時間残ってしまうのです。アセトアルデヒドは、お酒を飲んだら血液の中に溶け体内に均一に広がり、唾液に高濃度で含まれるという特徴があり、お口の中の細菌がさらにアセトアルデヒドを作ることから、頭頸部領域にガンが発生しやすいと考えられています。

一方、喫煙習慣は頭頸部に限らず、体に非常に悪いものと指摘されている要因であり、さまざまな場所の発ガンに影響を与えてしまいます。お酒やたばこを控えることによって、咽頭ガンは予防できると言えるでしょう。HPVは、子宮頸ガンの原因として今話題になっていますが、HPVにはさまざまな種類があり、タイプ16というHPVが子宮頸ガンの原因とみられています。

また子宮頚ガンのみでなく、頭頸部領域でも発ガンの原因となっていることが解明され、特に中咽頭ガンの発症要因になると言われています。これは中咽頭の両脇には扁桃腺があるため、その奥にHPVが入り込んで潜伏し、ガンを発症させるのではないかと考えられています。

診断

咽頭ガンの診断は、視診・触診・組織検査を行います。見えにくい部分はファイバースコープを使用し観察し、病変部の組織の一部を取り、顕微鏡下で組織診断を行います。これまで咽頭ガンの早期発見は困難とされてきましたが、内視鏡技術の進歩により、とても小さなガンであっても発見が可能になりました。ガンの進行度は4段階に分けられ、第Ⅰ期・Ⅱ期を早期ガン、第Ⅲ期・Ⅳ期を進行ガンと呼んでいます。

治療

ガンの治療には「外科療法」「放射線療法」、抗ガン剤による「化学療法」などがあります。これらの治療は単独で行われることもありますが、組み合わせたり、3つの治療を全て行うなど、ガンの種類と進行度合いに応じ、適切な治療法が選択されます。咽頭ガンの特徴は、呼吸や嚥下、構音などの生きていく上で欠かせない機能、且つ顔面や頸部など目に付く部位のガンであるため、腫瘍の切除とともに機能改善と外貌改善の手術も同時に行われることがあります。

また咽頭ガンは放射線感受性が良好であることが多く、放射線療法も施されます。化学療法は放射線の補助療法として行われ、放射線療法の前後や同時に行われます。上咽頭ガンの5年生存率は40%前後、中咽頭ガンで50〜70%、下咽頭ガンで20〜40%と言われています。

声枯れが1か月以上続いたり、食べ物を飲み込む時にしみたり、違和感を感じるなどの嚥下障害、気道狭窄の症状が現れたら、早めに医療期間を受診することをおすすめします。

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