よく聞く扁桃腺が腫れるとは?

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「扁桃腺が腫れている…」そんなことを耳にしたことはありませんか?

扁桃腺とは、一般的に舌のつけ根の両側にある、こぶのようなもので、風邪や疲れ、ストレス、気温の急激な変化、のどの乾燥などによって、扁桃腺についたウイルスや細菌が増殖することで炎症を起こし、腫れてしまうのです。悪化すると「扁桃炎」になる可能性があり、扁桃炎は、手術が必要になる場合もある危険な病気です。

今回は、扁桃腺の腫れについてご紹介します。

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扁桃腺が腫れるとは

扁桃腺は、口腔や咽頭のまわりにあるリンパ組織で、口から体内に侵入してくるウイルスや細菌の侵入を阻止し、体を守る「免疫」の役割を担っています。空気中にある病原菌は、鼻やのど、扁桃腺に付着することがほとんどで、扁桃腺に付着した病原菌が増殖すると炎症を起こし、扁桃腺が腫れてしまいます。病原菌を増殖させる原因はさまざまで、風邪や疲労、ストレスなどによる免疫力の低下、急激な気温の変化であったり、のどの乾燥などが挙げられます。

免疫力の弱いお子さまが発熱するのは、ウイルス感染が原因の場合が多く、高熱になることも珍しくありません。しかし、免疫反応によるものが多いため、ほとんど問題はないでしょう。お子様の場合、発熱よりも咳や扁桃腺の腫れなどの症状が現れたら注意が必要です。扁桃腺が腫れると、発熱・のどの痛みなどの症状が現れ、時に首のリンパが腫れたり、痛くなったりすることもあります。扁桃腺は2~3歳頃から腫れるようになり、扁桃腺が一番大きくなるのは7~8歳の頃と言われています。

扁桃腺が腫れる原因の多くは、風邪が原因によるもので、喉の痛みと共に発熱し、熱が下がると扁桃腺の腫れも引いてくるのが通常のパターンです。扁桃腺が大きい方や、年に何度も発熱性の炎症を繰り返す方には扁桃腺の除去も検討し提案をします。しかし、近年は薬が改良されよくなってきたので、手術をうける方は少なくなっています。

扁桃腺による病気

咽頭炎

のどの粘膜にウイルスや細菌が付着することで感染し、起きた炎症を「咽頭炎」と言います。のどが痛み、痰が絡む症状が現れ、扁桃腺は腫れていても、痛みや熱が出ない場合もあります。咽頭炎の炎症がひどくなると、扁桃腺に白い斑点ができたり、扁桃炎を引き起こす場合があるので注意が必要です。

急性扁桃炎

風邪のような症状が続き、風邪薬を服用してもなかなか良くならない場合は扁桃炎の可能性があります。扁桃炎の初期症状は風邪に似ていて、悪化するまで気付かないことがほとんどでしょう。扁桃炎の症状は39度前後の高熱、嚥下障害を起こすほどの喉の痛み、さらには唾液まで飲み込めなくほど辛くなる場合もあります。扁桃腺に白い斑点の膿ができ、それが広がり全体が白く覆われます。その他の症状としては、頭痛や関節痛、悪寒や首のリンパが腫れ、耳まで痛くなることもあります。

慢性扁桃炎

急性扁桃炎を1年に4回以上繰り返すと慢性扁桃炎になります。慢性扁桃炎は、高熱は出ませんが倦怠感があり、微熱が続きます。また、急性では嚥下障害を起こすほどであったのどの痛みも慢性扁桃炎では異物感がある程度です。しかし慢性化すると薬で改善できなくなり、扁桃炎を繰り返す可能性が高くなるため、扁桃腺切除手術をすることも考えられます。

親知らずと扁桃腺の関係

親知らずは、斜めに生えたり、歯茎に埋まっていたり、横向きに生えたりと、正常にまっすぐ生えてこないケースが多く見られる歯です。親知らずは一番奥に生え、且つまっすぐに生えてこないことも多いため歯磨きもしにくく、汚れが溜まり、口腔トラブルの原因になりがちです。このような親知らずの炎症を、「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼び、放置するとさまざまなトラブルを引き起こすことがあります。

智歯周囲炎の初期症状は、腫れや痛みが現れます。歯ブラシが当たりにくい親知らずの周囲は、磨き残しが起こりやすいため歯垢が溜まりやすく、細菌の温床になります。そのため体調が悪い時など免疫力が落ちている時は、親知らず周辺が腫れたり、痛みを感じやすくなるでしょう。また炎症がのどまで拡大すると、のどに痛みを感じます。唾液を飲みこむだけで痛みを感じたり、風邪の症状に似た感覚を覚える人もいます。炎症の範囲が広くなると、腫れや痛みは顎全体にまで拡大し、顎の片側が大きく腫れてきたら、開口障害が起こるでしょう。無理に口を開けようとすると、親知らず周囲に激痛が走ることがあります。顎から炎症がさらに悪化すると、頬まで腫れあがってきます。頬まで炎症が広がると、顔が左右非対称に見えるほど腫れがわかりやすくなります。喉の痛みや、顔の腫れに続き、全身にまで症状が及び、39℃前後の高熱が出るほか、強い倦怠感など、重たい風邪をひいたような症状が出ます。

稀なケースでは、扁桃腺が腫れることがあります。扁桃腺の腫れがひどい場合、気道が塞がれるなど危険な状態に陥る可能性も考えられます。さらに炎症が扁桃腺やリンパ節にとどまらず、胸のあたりまで感染すると、心臓にまで炎症が広がるケースもあります。心臓が感染してしまうと、急性心筋炎を起こし命を落とすケースもあります。

親知らずの炎症に加えて、喉に痛みを感じたら、智歯周囲炎が悪化している可能性が高いでしょう。放置すると顔や扁桃腺が腫れたり、高熱が出たりすることもあるので、早めに歯科医院を受診した方がいいでしょう。

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